女優・武田久美子が、23年ぶりとなる写真集『Sango』を発売した。かつて日本中に大きな衝撃を与えた “貝殻”を超えるべく、「今更なんで出したんだっていう風には思われたくなかった」と並々ならぬ決意で撮影に臨んだ彼女。圧巻のスタイルはいかにして作られたのか。制作に至った経緯や体づくり、愛娘の反応、さらに今後の野望まで語ってもらった。
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■“貝殻”を超える神秘的な美しさ タイトル『Sango』に込めた思い
長きにわたりアメリカ・カリフォルニアを拠点に生活している武田だが、再びグラビアの舞台に立つきっかけは、思わぬ日常の一コマにあった。
「1年ほど前、アメリカに遊びに来たエディターの友人と古いアルバムを眺めていたんです。そのとき彼女からの『またやったら?』という一言がすべての発端でした。まさか自分に写真集を出す機会が巡ってくるとは思っていなかったので驚きましたが、長年クラシックバレエを続けていて体型も以前と大きく変わっていなかったため、挑戦してみようという気持ちに至りました」。
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とは言うものの、写真集を出すのは23年ぶり。熱心なファンの中には過去作をすべて持っている人もおり、常に最上級の姿が求められるというハードルは非常に高い。
「皆様をがっかりさせることだけはしたくありませんでした。単に月日だけが経ったような作品には絶対にしたくなかったです。むしろ、これだけのブランクを経て、以前よりパワーアップして帰ってこなければいけないという責任感がありました」。
かつての自分と張り合うのではなく、大人の女性が持つ新たな魅力を表現することに重きを置いた。
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「若作りをするつもりも、過去の自分と戦うつもりもありませんでした。以前には出せなかった力強さや、カリフォルニア生活で培った明るさ、そして健康美を打ち出したかったです。年齢はただの数字に過ぎないということを立証し、女性たちの励みになれればと考えています」。
本作では、過去に仕事をしたことのない初対面のフォトグラファーを自ら指名。入念な打ち合わせを重ね、新たな魅力を引き出すことにこだわった。そして、本作を象徴するタイトルには、武田の代名詞とも言える強烈なイメージから脱却し、さらなる高みを目指す思いが込められている。
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「撮影も終盤に差し掛かった頃、私自身のひらめきで命名しました。これまでずっと『貝殻』のイメージが先行していたため、それに代わるものは何だろうと考え続けていたんです。同じ海の産物であり、美しく神秘的な『珊瑚』がぴったりだと感じました。撮影地が沖縄だったので、あえて横文字ではなく日本語の響きを残したかったという理由もあります」。
一切の妥協を排し、最上級のビジュアルを追求した一冊。仕上がりに対する自信は揺るぎない。
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「『今更なんで出したんだろう』とは思われたくなかったので、長年ビジュアルの世界で生きてきた人間ならではの流石のクオリティをお見せできたと自負しています。現代はデジタルや動画が主流ですが、だからこそ、重みのある1冊の紙の写真集の良さを改めて伝えたかったですね」。
■愛娘にも写真集発売を報告 「“貝殻”の写真を撮った頃の私より、娘のほうが年上に」
レンズの前で圧倒的な艶やかさを放つ武田だが、その美貌の裏には徹底した自己管理がある。撮影のために「特別な準備はあまりしていない」と語った武田。裏を返せば、日々のストイックな生活習慣が現在のプロポーションを支えている。
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「クラシックバレエのレッスンに週3回通っており、運動量は十分でしたが、撮影前はより一層稽古に励み、大好きなお酒も1ヶ月半完全に断ちました。普段の食生活では、トマトやビーツなど赤や緑の食材を積極的に摂る一方で、バターなどの黄色い食材や油物は控えています。自宅では揚げ物を一切せず、和食中心の粗食を心掛け、常温の水をたくさん飲むのが日課です」。
前回の写真集を発売したのは、第一子を妊娠していた時期にまで遡る。今回、すっかり大人になった娘へ事前に報告をした際も、温かいコミュニケーションがあったという。
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「撮影現場からテレビ電話をつなぎ、スタッフを紹介したりして動画で会話を楽しみました。私が過去に貝殻の写真を披露した年齢よりも、今の娘の方が年上になっています。写真が好きな子なので、今回の出来上がりを見て、きっと喜んでくれるだろうと楽しみにしています」。
子育てが一段落し、自分の好きなことに向き合う時間を手に入れた今、武田の視線はすでに未来へと向けられている。女優業への意欲とともに、さらなる高みを目指すモチベーションは尽きることがない。
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「以前は娘と一緒に暮らしていたため日本に長期滞在することが難しかったのですが、今は自由な時間が増えました。拠点はアメリカのままですが、今後は日本の映画やドラマなどの映像作品にも積極的に挑戦していきたいです」。
四半世紀近くの時を経て完成させた本作は、彼女にとってゴールではなく、新たなスタートラインとなったようだ。
「今回再び写真集を出すという行動を起こして本当に良かったと大満足しています。だからこそ、いつの日かまた写真集を作りたい。クオリティをどんどん超えていくことが自分自身の目標であり、今後の人生を輝かせる糧になると信じています」。(取材・文:磯部正和 写真:山田健史)
武田久美子の写真集『Sango』は、講談社より発売中。
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