40歳を目前に人生を見つめ直す3人の女性を描く、音楽劇『39歳』。このほど稽古場取材会が行われ、朝夏まなと、七海ひろき、夢咲ねね、演出の小山ゆうな、作曲・編曲のキム・ヒョウンが公演への思いを語った。 本作は、深い共感を呼んだ韓国ドラマ『39歳』を音楽劇として世界で初めて舞台化。固く結ばれた友情や人生の選択、出会いと別れといった普遍的なテーマを3人の女性を中心に描き出す。さまざまな出来事を一緒に乗り越えてきた皮膚科医チャ・ミジョを朝夏、俳優の演技指導者チョン・チャニョンを七海、百貨店の美容部員チャン・ジュヒを夢咲が演じる。
この日の取材では、3つのシーンが披露された。初めに、1幕プロローグのナンバー「To be best friends ―そばにいて―」。物語冒頭の献花と、のちに親友となる3人がまだ高校生の頃の出会いのシーンが回想として綴られる。朝夏、七海、夢咲の3人が、幼さを残した高校生を楽しそうに、溌剌と演じる姿が印象に残った。
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続いて、1幕3場だ。3人それぞれの日常と淡い恋模様が、おしゃべりの中で明かされていく。七海が演じるチャニョンと前田一世が演じるキム・ジンソクの関係性が明らかになり、朝夏が演じるミジョと相葉裕樹が演じるキム・ソヌ、夢咲が演じるジュヒと高橋健介が演じるパク・ヒョンジュンの出会いも描かれ、三者三様の恋模様が綴られる。シーンの最後には、ミジョに不穏な電話がかかってきて空気が一変する。
そして、最後に2幕4場で歌われるナンバー「39歳の今を」が披露された。このシーンは、病により残された余命を生きることになったチャニョンが、“ウィッシュリスト”の1つとして両親の経営する飲食店を改装すべく、仲間たちが集うシーンだ。ジンソクやキム・ソヌ、ヒョンジュンも駆けつけ、笑顔が溢れる華やかな場面となった。シーンの最後には、チャニョンが自身の死後についてミジョに託し、チャニョンが倒れてしまう。場内に緊張が走ったところで、稽古は終了した。
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シーン披露の後に行われた取材会では、小山が、舞台版ならではの演出について、「12話のドラマを2時間半くらいの舞台にするので、どこを取捨選択するのかは、みんなでかなり協議をして進めてまいりました。ドラマファンの方も多い作品ですが、私たちは日本人として韓国に対して憧れるところもあるし、文化の違いが素敵だなと思うところもあるので、そういったところが際立つようにしたいと考えています」と言及。
続いて、宝塚歌劇団で共に同じ時間を過ごした朝夏、七海、夢咲の3人について「高校生からの友情という説得力は作らなくてもあるだろうと思ってはいましたが、実際に稽古に入ってみて、そこはすでに出来上がっているものとしてあるのを感じました。友達っていいなと感じていただけると思いますし、素敵なものをたくさん持って帰っていただける作品になればいいなと思います」と語った。
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また、朝夏は「ミジョは、順風満帆ではない過去があるので、そうした生い立ちを考えながら演じていますが、チャニョンとジュヒと一緒にいるシーンがすごく心地良くて。家に帰ってきたような安心感があるんですよ。そうした中から、いろいろなアイディアが生まれてきて、それを(小山)ゆうなさんに提案させてくださる。柔軟性のある現場なので、楽しみながらみんなで作っている感じがして、毎日充実しています!」と笑顔で話した。
そんな朝夏の言葉に七海も同意し、「私たち3人でいるときの安心感と、心が穏やかになる瞬間が、お客さんに届けばいいなと感じています。稽古は、私たちの意見も聞いて、相談してくださるので、とっても楽しくて。毎日、充実しているなと感じますし、初日に向けて精一杯頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。
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そして、夢咲は「12話のドラマを2時間半に収めるので、どうなるかと思っていましたが、思っていたよりもずっと舞台上にいて、話していて、頭の中がいっぱいいっぱいです」と苦笑いを浮かべながら、「和気あいあいとした稽古場で、毎日、楽しく、充実した時間を過ごさせていただいています。『39歳』という作品を愛してくださっている方も、(ドラマを)観たことがない方も楽しんでいただけるように精一杯稽古をしていきたいと思っております」と力を込めた。
本作で特に共感したところを聞かれると、朝夏は「それぞれに共感するところがあるのですが、恋愛にしても家族にしても友人にしても、人に優しくなれる感覚が毎日あって。自分が健やかに生きていくためには、周りの人にもそうあってもらわないといけない。自分がそう生きていかないといけないとすごく感じますし、それは共感するところでもありました」と回答。
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七海は「観ていただけたら、共感するところもたくさんあると思いますが、どんなことがあっても、周りの友人や家族にどんなに辛いことがあっても、1人じゃない。誰かがいるから乗り越えていけるのだというところはすごく素敵に描かれていると感じました」と思いを寄せた。
そして、夢咲は「私たち3人は、10代のときに出会ったという(本作の登場人物との)共通点があります。同じ時を過ごしていない期間もありますが、こうして一緒になったときに、改めてすごく近しい、家族に近い絆があることを感じます。何かがあったときに支え合えるし、自分は1人ではないんだ、1人では生きられないんだと思うところは、とても共感できるところだなと思います」とコメントした。
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劇中同様、仲の良い空気感が出ていた朝夏、七海、夢咲。3人で「今だからこそやっておきたいことは?」という質問には、夢咲が「3人でご飯を食べに行ったり、プチ旅行はしているのですが、なかなかスケジュール的に長時間出かけるのが難しいので、ゆっくり温泉に行きたいです!」と答えた。七海は「まあちゃん(朝夏)は陶芸が好きだと聞いたので、一緒に器を作って、それでご飯を食べられたら最高です」とにっこり。それを聞いた朝夏は「一緒に温泉に行って、陶芸をして、そして、韓国に行きたいです」と楽しそうに話した。
本作の音楽を担当するのは、『HOPE』『ナビレラ』の韓国初演・再演も手掛け、韓国オリジナルミュージカルで大注目のキム・ヒョウンだ。キムは、「実はNetflixで配信されているドラマを私が39歳のときに観たんです。なので、非常に縁を感じましたし、最初に今回の台本をいただいたときに、これは舞台だけの魅力をお伝えできると思いました。もちろん、原作もとっても素敵で、私の中でも大切なものでしたが、この日本版の台本から私たちの『39歳』を作っていこう、感性を大切にしていこうという思いを感じました。創作作業の中で、日本のクリエイターの皆さまたちは本当に素晴らしかったです。一緒に作業することが力になりました。今作品に寄り添って音楽が奏でられるようにという思いで作りました」と音楽への思いを語った。
(取材・文・写真:嶋田真己)
音楽劇『39歳』は、9月5日~13日東京・IMM THEATER、9月18日〜24日大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。
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