さらば青春の光のYouTubeや『水曜日のダウンタウン』で一躍ブレイク、昨年は新語・流行語大賞にノミネート、「ブレイク芸人ランキング」で3位に入るなど大活躍を見せた、ひょうろく。この春からは冠番組『変態植物倶楽部 列島縦断! ひょうろくの未確認変態は何処に』がスタートするなど活躍のフィールドをさらに広げ、俳優としてもさまざまな作品にひっぱりだこで唯一無二の存在感を発揮する。そんな彼が、まもなく幕が上がる『曲がれ!スプーン』で演劇舞台に初挑戦する。
◆素の自分と正反対の喜怒哀楽の激しいキャラクターに挑戦
ヨーロッパ企画の上田誠が2000年に作・演出を手掛け初演、2009年には長澤まさみ主演で映画化されるなど、時代を超えて愛され続ける本作。町外れの喫茶店を舞台に、さまざまな超能力を持つエスパーたちが、日ごろ隠している超能力を披露し合うパーティを開催することから始まる奇想天外なストーリーを、今回はヨーロッパ企画の大歳倫弘の演出で上演する。IMP.の鈴木大河が主演を務め、岡田義徳、忍成修吾、時任勇気、オラキオ、松井愛莉、相島一之ら個性と実力を兼ね備えた顔ぶれが勢ぞろいすることも話題の作品だ。
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――ひょうろくさんにとって初めての舞台ご出演となります。
ひょうろく:舞台をやってみたいなと思い、マネージャーさんに相談していたタイミングでした。こういうお話が来てるよと教えていただいて、めちゃくちゃやりたいですとお願いしました。
――舞台に挑戦したいと思われたのは何かきっかけがあったのでしょうか?
ひょうろく:ドラマとかにちょこちょこ出させてもらっていると、現場に行って1回リハーサルをして、はい本番ですという感じで。「今のこれ大丈夫だったのかな?」と感じることもあったんです。でも舞台だと1ヵ月間同じセリフを何回も試せる。舞台や演劇を観るというのは僕の個人的な文化にはなかったんですけど、一度やってみたいなって思いました。
――『曲がれ!スプーン』の台本を読まれての感想はいかがでしたか?
ひょうろく:面白かったです。台本を読む前に舞台の映像も観て面白いなって思っていたんですけど、台本を読むと1回観ただけじゃ分かっていなかった細かいところが、「これってこういうことなんだ」と分かったといいますか。すごくいろんなことが散りばめられていて、読めば読むほど面白くて。「ここって実はここに繋がっているのか」と感じるところがいっぱいありました。
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僕、普段は『〇▽◆★〇▽◆』とかボーっと何も考えずに観られる作品しか観ないので、細かい一言一言にちゃんと意味があるっていうのが、読んでいて面白いなって気づかせていただいたというか。
――作品名はボヤかしておきますね(笑)。演じられる神田は、ストーリーを大きく動かすキーパーソンです。セリフ量も膨大ですが、そこへの不安はありませんでしたか?
ひょうろく:めちゃくちゃありました。長ゼリフも苦手ですし…。僕自身はどっちかというと巻き込まれる側なんですけど、神田さんはいろいろなことを動かしていく人間力が強い方。大丈夫かな?どうやったらいいんだろう?っていうのは、今現在もすごくあります。
――周りにツッコんだりする神田は、ふだん拝見しているひょうろくさんとは正反対なイメージです。
ひょうろく:僕がこれまでやってきたドラマの役と結構違うので、普段と違う姿をちゃんと見せられるようにしたいです。神田さんは喜怒哀楽が激しい方なので、そこをちゃんと見せられたらいいなと模索している感じです。
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◆ひょうろくが欲しい超能力は?
――これまでさらば青春の光さんの「ザ・森東 株主総会」などで大勢の観客の前に立たれた経験はおありですが、お芝居で舞台に立つ心境はいかがでしょう。
ひょうろく:怖いなっていうのはものすごくあります。会場も大きいんですよね。共演させていただく皆さんが経験豊富なすごい方たちばかりなので安心感もありますけど、その皆さんが「この作品は(セリフの)ラリーがすごく大事」だとおっしゃっていて。世界観をちゃんと作ってお客様に伝えられるか、今はまだ不安の方が大きいですが、どうやったらできるんだろう?というワクワクもあったりします。
――演劇の稽古場も初めてかと思いますが、驚いたことはありますか?
ひょうろく:なんか僕、公民館みたいなところでやると思っていたというか。自分たちと演出の大歳さんだけでやるって勝手に思っていたので、いろいろな大人の人が絡んでいて、こんな立派なところで、ちゃんとセットも組んでやるんだと驚きました。なんかちょっとなめてしまっていたというか。
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元々自分のために頑張りたいっていうのがあったんですけど、今はチームとしてやってよかったと皆さんに絶対に思わせないといけないなっていう思いもちょっとあります。
――座長の鈴木さんをはじめ、個性豊かな共演のみなさんの印象はいかがですか?
ひょうろく:鈴木さんはもうめちゃくちゃお優しいというか。本当に気さくですし、めちゃくちゃご活躍されていてもっと偉そうにしていてもいいのに、僕とかに対しても対等に接してくださるんです。
相島さん、岡田さん、忍成さんは、舞台の百戦錬磨の方たちなので、「もっとこうしたらいいかもしれないよ」とか「ここをもっとこうしようか」とアドバイスを率先してくださいます。
オラキオさんは同じ芸人出身ということで、そういう目線でアドバイスをくださるし、場を和ませてくださって。時任さんと松井さんのお若いフレッシュな2人は稽古場をほんわりしてくださっています。
初めての舞台がこの皆さんと一緒でよかったなと思いますし、大歳さんのやり方含めてだと思うんですけど、すごく楽しいですね。たぶん本当はもっと焦らないといけないのかもしれないですが、コメディなので楽しい雰囲気を大事にしてくださっているんだろうなっていうのはすごく感じます。
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――本作にはさまざまなエスパーが登場します。念のため確認ですが、ひょうろくさんご自身に超能力は…?
ひょうろく:皆無ですねぇ。
――もし超能力が手に入るとしたらどんな能力がほしいですか?
ひょうろく:えぇ~、難しいな…。どれも便利そうですよね。忍成さんが演じる井手さんの電子機器を操るエレキネシス能力は物語の中では微妙な描かれ方をしますが、あれは井手さんの使い方が下手なだけでめちゃくちゃ可能性がある気もしますし…。
でもやっぱり、オラキオさんが演じる小山さんのテレポーテーション能力が面白そうなのであったらいいなと思います。
◆俳優、芸人、タレント…一番しっくりくる肩書は?
――『水ダウ』をきっかけに、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』、三谷幸喜さんの『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』、さらには現在放送中の小池栄子さん主演『ムショラン三ツ星』など、オファーが絶えないひょうろくさんですが、俳優として引っ張りだこな現状はどう感じられていますか?
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ひょうろく:どうなんですかね…。演技が上手ではないと思っていますし、僕もなんでなんだろう?っていうのはあって…。今回も、「やっていてちょっとテンポが分からないんですよね」と言った時に、「確かにテンポ悪いですけど、それが逆に良かったりもするからあんまり気にしない方がいいかもしれないですね」と言っていただいたりして、じゃああまり気にしなくてもいいかと思ったり…。
――お芝居のお仕事は楽しいですか?
ひょうろく:今はまだ楽しめる段階まで行けてないですね。でも楽しめるところまで行ってみたいと言いますか。例えば、大ベテランの方たちとかって、やっぱり引き出しが多いから、「こういう役をやって」と言ったらすぐに、「じゃあ、こういう風にしよう」っていうのができる。そういう風になれたら面白そうだなと思ったりします。
『もしがく』でご一緒した小林薫さんも、セリフ量はそんなに多くないんですけど、めちゃくちゃ存在感があって、モニターとかで見ていても「かっこいい」って思っちゃうんですよね。もちろん僕はかっこいい小林さんのようにはなれないですけど、僕なりのそういう何かひとつができるようになったらいいなって思います。
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――バラエティやドラマなどいろいろなお仕事にチャレンジされていますが、今後はどんなお仕事に挑戦していきたいですか?
ひょうろく:全部やりたいっていう感じなんです。一番よくない仕事の仕方なのかもしれないんですけど、いろんなことをやって、バラエティで勉強したことを演技のお仕事にも使いたいですし、演技の現場で学んだことを逆にバラエティでも使いたいみたいな感じで。派遣のバイトじゃないですけど、呼ばれたところに行くというか。
――俳優、お笑い芸人、タレントといろいろありますが、ご自身ではどの肩書きがしっくりきますか?
ひょうろく:よく「肩書きは何ですか?」と聞かれるんですけど、何もなくて…。例えば捕まってニュースになった時に、俳優の誰々さんとかはよくありますけど、僕はたぶん、自称ひょうろくと名乗る男38歳になるんじゃないかと…。ひょうろくと名乗って活動している男、みたいな感じかなと思うんです。たぶん一生肩書きがないんだろうなって思います。
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――でも、どの現場でもちゃんと結果を残されているのはすごいですよね。
ひょうろく:いや、たぶんそれは、僕というよりはスタッフさんだったり共演者の方々だったりのパワーというか。僕自身は本当に、なんて言うんですかね、演技もそうですけど能力がめちゃくちゃ低いというか。ただ活かしてもらっているという感じなんです。
――ご自身の性格的には、何事もポジティブに受け取れる感じですか。
ひょうろく:ネガティブなくせに、どこか楽観的というか。結構落ち込みやすいんですけど落ち込みきれないというか。落ち込んでウワーっと辛くなって、あるところでもう知らない、もういいやとなってまた回復するんです。
――普段のひょうろくさんはどんな感じなんでしょう。
ひょうろく:全く喋らないかもしれないですね。
――では、お仕事になると頑張ってギアを上げている感じなのでしょうか。
ひょうろく:そこがなんか難しいんですよね。いろいろあるというか。めちゃくちゃ人見知りなんですけど、喋りたい時もめちゃくちゃあるし、わがままなんですけど1人になりたい時もめちゃくちゃある。基本は1人でいる時間がほとんどで、家に引きこもっています。
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――これをやっている時が楽しい、これにハマっていますというものはありますか?
ひょうろく:基本はお風呂。お風呂にずっと入ってます。
――スーパー銭湯とかに出かけるのではなく、ご自宅のお風呂に?
ひょうろく:そうです。元々銭湯に行くのが好きだったんですけど、それこそちょっと顔を覚えてもらえるようになった時に、やっぱり頭がめちゃくちゃ目立つということですぐバレてしまって。そうなると下半身を見られがちになって…。最悪 “前”は見られてもいいんですけど、僕お尻が汚いんですね。「こいつお尻汚いんだ」って思われるのがすごく恥ずかしいので、外のお風呂には行けなくなりました。
(取材・文:近藤ユウヒ 写真:高野広美)
舞台『曲がれ!スプーン』は、東京・IMM THEATERにて6月4日~14日、京都劇場にて6月17日~19日上演。
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