クランクイン!
 READING WORLD×VISIONARY READING 朗読劇『紫苑のもみじ』で、雨宮もみじ役を務める山根綺。本作が描くのは、「応援席から降りて、自分の人生の主役になる」というテーマだ。誰かの期待に応えようとする中で、自分の本音を後回しにしてしまう。そんな葛藤は、きっと多くの人にとっても身近なものだろう。そしてそれは、山根自身の歩みにもどこか重なる。人の期待に応えようとしていた幼少期、声優という夢に出会ってからの迷いや葛藤。もみじの人生に自分自身を重ねながら、これまでの歩みと、今の自分を支えている言葉をまっすぐに語ってくれた。
■「自分の人生の主人公は自分なんだ」と思えた瞬間
――「応援席から降りて、自分の人生の主役になる」というテーマが印象的な本作ですが、物語に触れたときの第一印象や、ご自身と重なった部分について教えてください。
山根:プロットを読んだとき、「すごくわかるな」と思いました。きっと誰しも、一度は似たような経験があるんじゃないかなって。
作中で、もみじは応援席から飛び降りてケガをしてしまいますが、子どもの頃の彼女にとって、それはとても大きな失敗や挫折だったと思うんです。そういう経験があると、「もう出過ぎたことはやめよう」とか、「危ないことは避けよう」と、一度は安全な道を選びたくなるものだと思っていて。
私自身も、小さい頃はどちらかというと、そういう生き方をしていました。母を怒らせないように、先生に褒めてもらえるように。「すごいね」「偉いね」と言ってもらえることが、生きがいのような感覚で。言われた通りにしていれば、周りの大人が喜んでくれる。そんなふうに、顔色をうかがいながら生きていたところがありました。
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