鈴木福が主演する内藤瑛亮監督最新作『ヒグマ!!』より、共演の岩永丞威と上村侑、佐藤圭一郎プロデューサーのコメントが到着。併せて、物語の詳細なあらすじが発表された。 本作は、使い捨て闇バイトの若者たちが最強ヒグマと対峙するアドベンチャーバトル。監督・脚本を務めるのは、『ミスミソウ』や『許された子どもたち』などで、10代の子供たちの生きづらさ、リアルな姿を描き続けてきた内藤瑛亮。
先月、“使い捨て”闇バイトのメンバー役として、岩永丞威・上村侑・住川龍珠の出演が発表された本作。この度、岩永と上村、佐藤圭一郎プロデューサーのコメントが到着。
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岩永は「闇バイトのリーダー格という怖さのある役を演じるにあたり、現場では自然と距離感を意識しましたが、実際には共演者の皆さんと支え合いながらとても充実した時間を過ごしました。ヒグマを題材にすることはとてもセンシティブで、命の重みや自然との向き合い方を深く考えさせられる作品です。被害に遭われた方々やご遺族への敬意を忘れずに挑みました。エンターテインメントでありながら、大切なメッセージを持つ作品です。ぜひ劇場でご覧ください」とコメント。
上村は「84番役を演じます。上村侑です。再び内藤監督の愉快で残酷なサーカスのような世界に参加でき、光栄に思います。今度は闇バイト×ヒグマです。僕はチリチリ頭の使い捨て闇バイターです。どこかで見かけたことがあるようなないような人になっていれば嬉しく思います。闇バイト、ダメ、ゼッタイ。是非、劇場でご覧ください」とメッセージを寄せた。
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佐藤プロデューサーは「社会の底で“使い捨て”られる若者と、山奥で生息圏を“侵食される”ヒグマ。両者を対立させることで、“「社会の絶望」と「自然の猛威」が同時に牙を剥く」”という現代的なスリルを描けると思ったからです」と製作の意図を明かし、「絶望の淵にいる若者を“自己責任”で片付けず、生きるための希望と反撃の可能性を信じてほしい。大人になるという事は隠された悪を注意深く避け、連帯と共助によって生き残る事。スリラーやホラーには面白さだけではなく、そうした人生における有事の生還に関わるほど重要なメッセージがあると感じてほしい」と語っている。
映画『ヒグマ!!』は、11月21日より全国公開。
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※佐藤圭一郎プロデューサーのコメント全文、あらすじの詳細は以下の通り。
■佐藤圭一郎(プロデューサー)コメント
――なぜ「闇バイトVSヒグマ」を描く映画を製作したのか?
社会の底で“使い捨て”られる若者と、山奥で生息圏を“侵食される”ヒグマ。両者を対立させることで、“「社会の絶望」と「自然の猛威」が同時に牙を剥く」”という現代的なスリルを描けると思ったからです
――映画を観る人へ伝えたいメッセージは?
「命さえあれば反撃できる」。どんなに搾取され、道を踏み外したとしても、人間は生存本能と連帯によって抗える。絶望の淵にいる若者を“自己責任”で片付けず、生きるための希望と反撃の可能性を信じてほしい。大人になるという事は隠された悪を注意深く避け、連帯と共助によって生き残る事。スリラーやホラーには面白さだけではなく、そうした人生における有事の生還に関わるほど重要なメッセージがあると感じてほしい。
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――岩永丞威・上村侑・住川龍珠を起用した理由を教えてください。
岩永丞威は、谷垣健治監督の最新作『Furious』も控える、まさに若手アクション俳優の日本代表と呼べる存在です。その身体性はもちろん、スクリーンで見せる動きの説得力に注目しています。本作では出番としては短いシークエンスですが、人間側のアクションの矜持を一手に背負わせた。クマとの対峙を描くうえで、ただ恐怖に怯えるだけでなく、人間も肉体で応答する瞬間をどう描けるかが重要でした。そのリアリティと火花を託せるのは、彼しかいなかった。
内藤瑛亮監督の『許された子どもたち』で見せた、共同体から逸脱した少年の眼差し。上村侑の声と顔には、社会から零れ落ちる若者たちの現実が宿っていました。今回もその視線を託したいと思いました。ただ流されるのでもなく、ただ反抗するのでもない──居場所を失った者の顔と声が、極限の状況でどう響くのか。彼はいま、その“孤立のエネルギー”を唯一無二の強度で表現できる俳優です。
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同じく『許された子どもたち』で出会った住川龍珠。彼に宿っていたのは、危うさと脆さでした。今回は焦燥の中にさえ、時折ふっと笑いを誘う可笑しさを交える余裕まで見せてくれました。その緩急こそが、生き延びようともがく人間のリアリティだと思います。2人に再び託すことで、“共同体からの逸脱”から“生存本能の物語”へと接続していけると思いました。
この三人を揃えることで、観客は“スクリーンの中に現代の若者”を見てしまう。だからこそヒグマとの対峙が、ただの怪獣映画ではなく今を映すサバイバルドラマとして響くはずです。
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■映画『ヒグマ!!』あらすじ
18歳の少年・小山内は大学合格により未来を掴んだその日に、父親が自殺。特殊詐欺の被害に遭い、多額の借金を背負っていたのだ。進学の将来は断たれ、金策に走る小山内がすがりついた先はまさに父を追い詰めた諸悪でもある【闇バイト】だった。グループ内での呼び名は「66番」。未来への切符だった合格番号は犯罪者としての呼び名になっていた。
ある日、繁華街で最も高額な報酬が見込める【拉致工作】に参加。しかし見知らぬ人間を拉致する業務には、いつの間にかその殺害と遺棄までが付加されていた…。標的は「28番」。同じく闇バイトで奪った宝石を一人持ち去ったのだ。激しい追走の果てに追い詰められた「28番」は身柄を押さえられる寸前、宝石を飲み込んでしまう。監視役「9番」に連れられ「28番」を拘束したまま、小山内と闇バイト仲間を乗せたワゴンは深い森の山中へ――。
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人間サイズの穴を掘り、いよいよ「9番」から「28番」の殺害、さらに腹を裂いて宝石の摘出と死体の遺棄を迫られる小山内。個人情報を握られている小山内にとって殺すか、殺されるか…その時、【それ】が現れた。規格外のエゾヒグマ!その圧倒的な殺傷力を前に闇バイト仲間の肉片が四散する中、小山内は殺すはずだった「28番」と共闘し、危機を回避。しかし、阿鼻叫喚の光景に「28番」が吐き出した宝石を、今度はヒグマが呑み込んでしまう。
生き残るだけなら下山すればいい。だが、宝石があれば一度手放した未来を再び掴めるかもしれない。しかしその為には、あのヒグマを殺すしかない。謎の【闇狩猟者】神崎も巻き込み、小山内の本当の【生存闘争】が始まった――。
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