暑かった夏が終わるとともに続々とスタートを切っている10月期のドラマの数々。本稿では、今クール放送される約50作品ある秋ドラマの中から、クランクイン!編集部が独自に厳選した注目の3作品を紹介したい。
三谷幸喜25年ぶり民放連ドラ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』
最初に紹介したいのは、三谷幸喜が脚本を務め、菅田将暉が主演する、1日にスタートしたばかりの『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系/毎週水曜22時)だ。
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三谷が25年ぶりにゴールデン・プライム帯の民放連続ドラマの脚本を手がける本作は、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷の半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。菅田演じる主人公の劇団演出家・久部三成のほか、二階堂ふみ演じるミステリアスなダンサー・倖田リカ、神木隆之介演じる新人の放送作家・蓬莱省吾、浜辺美波演じる神社の巫女(みこ)・江藤樹里が登場する。
何と言っても注目すべきは、近年は映画や、大河ドラマ(『真田丸』、『鎌倉殿の13人』)にシフトしていた三谷が、2000年放送の『合い言葉は勇気』(フジテレビ系)以来となる民放地上波連ドラに帰って来る点だ。香取慎吾主演の『合い言葉は勇気』は、山梨県の辺ぴな村を舞台に、産業廃棄物処理場建設に反対する村民たちが、落ちぶれた俳優(役所広司)を弁護士に仕立て上げて法廷内外で戦う姿を描いた作品で、三谷作品の中でも知る人ぞ知る名作だ。同作のように、『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』はたくさんのキャラクターが登場することがすでにアナウンスされており、三谷が得意とする群像劇でどういった物語を毎週届けてくれるのだろうかが楽しみだ。
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さらに三谷脚本とキャストたちのケミストリーも気になる。菅田は、三谷が手掛けた2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演しているが、同作は数多くの血が流れるシリアスな内容で、本作とはかなりテイストが違いそう。また、浜辺美波や二階堂ふみといった三谷作品の常連ではないキャストたちが三谷脚本の上でどういった魅力を放つのかも注目だ。
クランクイン!が今回実施した2025年「期待する秋ドラマ」ランキングでも、本作は第6位にランクインしている。
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草なぎ剛×カンテレに外れなし!『終幕のロンド』
2本目に紹介したいのは、草なぎ剛が主演を務める10月13日スタートの『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜22時)だ。
本作は、妻を亡くし、幼い息子を男手一つで育てるシングルファーザーで、遺品整理人の鳥飼樹(草なぎ)が、遺品整理会社の仲間たちと共に、さまざまな事情を抱えた家族に寄り添っていくヒューマンドラマ。遺品に込められた故人の最期のメッセージを解き明かす人間ドラマのほか、せつない大人の恋も描かれるオリジナルストーリー。
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ある日、樹は余命3カ月を宣告された鮎川こはるから生前整理の依頼を受け、絵本作家である娘の御厨真琴(中村ゆり)と頻繁に顔を合わせるように。いつしか2人は惹(ひ)かれ合うが、彼女には大企業・御厨ホールディングスの後継者である夫・御厨利人がいたのだった…。
草なぎと言えば、これまでカンテレ制作の『いいひと。』『僕の生きる道』『罠の戦争』を始めとする『戦争』シリーズなど数々の名作ドラマに主演し、今作で連ドラは9作目を数える。そんな鉄板タッグであり、本作への期待度も否が応でも高まる。
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また本作には、昨年宝塚歌劇団を退団した元月組トップスターで、4月期の『キャスター』(TBS系)で連ドラ初出演を飾った月城かなとがキャスティングされており、連ドラ2作目でどういった存在感を放つかも注目だ。
クランクイン!が今回実施した2025年「期待する秋ドラマ」ランキングでも、本作は第5位にランクインしている。
■及川光博21年ぶりの主演作!『ぼくたちん家』
最後に紹介したいのは、及川光博が主演する10月12日スタートのドラマ『ぼくたちん家(ち)』(日本テレビ系/毎週日曜22時30分)だ。
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本作は、現代のさまざまな偏見の中で生きる「社会のすみっこ」にいる人々が、愛と自由と居場所を求めて、明るくたくましく生き抜く姿を描く完全オリジナルストーリー。『弱くても勝てます』、『だが、情熱はある』(ともに日本テレビ系)などを手掛けてきた河野英裕がプロデュースし、脚本は、日テレシナリオライターコンテストで2023年度審査員特別賞を受賞した松本優紀が手掛ける。
及川が演じるのは、恋のために家を買おうとする50歳の心優しきゲイ・波多野玄一。不器用で、やたら情に厚い玄一は、ある日、人生も恋も冷めきったクールなゲイの青年に偶然出会い、恋をした。これをきっかけに、玄一の人生が動き出していく。そんな玄一の恋人役を演じるのは手越祐也。バラエティ番組のイメージが強い手越だが、これまでも俳優として『ヤマトナデシコ七変化』(TBS系)や『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』『デカワンコ』(ともに日本テレビ系)などに出演している。そんな彼が、7年ぶりのドラマ出演となる今作で演じるのは、中学教師の作田索。そんな彼が、ある日出会った玄一によって、翻弄されていくことになる。
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注目はなんといっても主演の及川光博。数々のドラマに出演しながらも、なんと主演ドラマは21年ぶりという。彼と手越が演じるゲイカップルがどのようなストーリーを紡いでいくのだろうか。
クランクイン!が今回実施した2025年「期待する秋ドラマ」ランキングでも、本作は堂々の第1位に輝いており、視聴者の注目度も高まっている。
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』はフジテレビ系にて毎週水曜22時、『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』は10月13日よりカンテレ・フジテレビ系にて毎週月曜22時、『ぼくたちん家』は10月12日より日本テレビ系にて毎週日曜22時30分放送。
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